2025/11/19 15:52

昨日からぐっと冷え込みましたね。

朝、外に出た瞬間に思わず「寒っ」と声が出てしまうほど。

ついこの前まで秋を探しながら歩いていたのに、季節は本気で冬へ向かっているようです。


さて、昨日アップしたリール動画はご覧いただけましたでしょうか?

毛利ゆき子のコーディネート解説、たくさん反応をいただき嬉しく思っています!

今回は、そのリールで締めていた“裏太鼓”の帯について、少し深く掘り下げてみたいと思います。


裏太鼓という帯、昔はたまーに見かける存在でしたが、最近はめっきり少なくなりました。お太鼓の裏側にも柄を入れるという、ちょっと贅沢で、ちょっと遊び心のある仕様です。

実は裏太鼓の帯を作るときに一番大切にしているのが「ストーリー性」。


まず物語を一つ決め、その物語をお太鼓の柄、腹(前の柄)、そして裏太鼓の柄へと落とし込んでいきます。

裏側は普段パッとは見えませんが、「あれ?裏にも何かある?」と気づいてもらえるくらいの、さりげない遊びが粋だなと感じています。

見えないところに物語を忍ばせるのは、着物上級者の楽しみ方でもありますね。




今回のリールでは、ワイングラスをモチーフにした帯を締めました。

ふとしたときに揺れるワインの表情をどう帯に落とし込むか…考えるだけでワクワクします。




過去には、竹取物語や竜宮城の乙姫、うさぎと亀の競争など、昔話をテーマにしたシリーズも制作してきました。

裏太鼓の帯は、物語の 裏ページをひっそり描いていくような感覚があって、制作中はつい夢中になってしまいます。


これからの季節、コートの下に仕込んだ小さなストーリーを楽しんでいただければ嬉しいです!

寒さが増すほど、温かみのある帯の世界に浸りたくなりますね。